小学校には運営ポリシーと、先生・生徒が留意するべき注意事項をまとめて書面にしたマニュアルがあり、新入生の保護者に配布されてしっかり説明されます。教育カリキュラは国が定めたカリキュラム(National Curriculum)に則っています。基本は、英語、数学、サイエンスのコア科目で、キリスト教、アート、歴史などの科目もあります。

最初はこれで足りるのかと不安を覚えたものでしたが、同じクラスの中でも生徒それぞれの興味や学力に適合した個別指導や小規模グループ学習をしていることもあり、日本の学校のように全員一致できっちり同じスピードで進んでいくわけではないことがユニークに感じられました。

例えば、歴史を学ぶ授業は、古代から現代までの出来事を年代順に説明するのではなく、「ヘンリー8世」について一通り解説した後、各自で調べてまとめた内容について発表する、絵を描く、互いに批評しあうという内容でほぼ歴史の授業は終了してしまいます。

生徒の意欲や自主性を尊重しながら適切に指導していく方法は、個性を伸ばす効果を生み出しそうで優れたところがあるのかもしれないと感じました。

家族も到着、新生活の本格スタート

8月下旬に妻と子どもたちが英国に到着しました。ロンドン・ヒースロー空港から高速道路M1に入り、だんだんと緑豊かな牧草地が広がっていくイングランド中部の典型的な田園風景を楽しみながら会話がはずみました。

妻からは、出国前までに自宅の賃貸契約をしてテナントが決まったこと、自宅で乗っていたクルマの日産セレナ(Nissan Serena)は売却を完了したこと、あれこれ必要な書類や証明書を持参したことなどを聞きました。

こちらからはクルマの運転に際して注意するべきことを話しました。妻もクルマの運転が必要になるため、知っておいてもらわないといけないことです。

日本と同じく右側にハンドルがある運転席、走行は左側通行。ラウンドアバウト(Roundabout)の通行には、必ず進入前に一時停止すること、右から来る車両が優先であること、ラウンドアバウトに進入したら、出ようとしている道に入る前に左折ターンシグナルを出すこと、ラウンドアバウトから出そこなったらもう一周してトライすることを伝えました。

英国には、大小さまざまなラウンドアバウトがあり、信号機がなくても整然とクルマが流れる良い仕組みですが、ひとたび渋滞になってしまうと全く機能しなくなる代物なのです。

また、乗馬している人に出くわしたら、馬を驚かせることのないようにスピードを落としてゆっくり追い越すこと、犬を轢いてしまったら警察に届け出ること(猫は届け出不要)、という話もしておきました。

 

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