そもそも四十腰・五十肩というのは、本来は農家の人で朝5時ごろから起きて農作業をして、家事もすべて手作業で、床には雑巾がけをした人たちが40歳くらいでなるものです。そのような農作業に従事している人は、今はいなくなっています。むかしの農作業従事者には、四十腰・五十肩があるのは当たり前でした。しかし、現代で同じ作業をしている人はほとんどいないでしょう。

「若いときに酷使していたツケがきた」という症状は、むかしの農家の人や現在のプロ野球選手などのアスリートなど、体を酷使してきた人には当てはまるかもしれませんが、一般の現代日本人の病因には当てはまらなくなっています

勘違いしていますよ! 上半身だけでなく下半身を鍛えなさい

四十腰・五十肩の原因は、足腰(下半身)の衰えからと考えていますので、肩や腰が痛む患者さんに、私は「上半身より下半身を鍛えたほうがいいですよ」とアドバイスします。

年を取って歩けなくなるのも足腰が弱るからなので、今から足腰を鍛えていれば、どこへでも行けるし、下半身を鍛えることで上半身は連動しておのずと動くようになります。

私もスポーツクラブのジム通いをしていますが、鍛えていらっしゃる人でも、筋肉美が際立つ上半身のトレーニングは一生懸命やっていても、走ったりスクワットをしたりして下半身を鍛えている人は少ないようです。どうせ鍛えるのであれば、上半身も下半身も両方やったほうが健康のためには最善だと思います。