5 郊外型ニュータウンのケースに注意

持ち家取得を考える際に把握すべき問題があります。開発された時期にはもてはやされた、最寄り駅からの距離が遠い郊外型ニュータウンのケースです。

開発から50年経った郊外型のニュータウンでは、施設の老朽化や住民の高齢化が顕著です。首都圏のかつてのニュータウンが、人口減と高齢化が同時に進み、超高齢社会の最前線となっています。

一時期に開発され、一斉に均質な住民が入居したことから、一転して過疎化が懸念されるケースが見受けられるので注意が必要です。

過疎化の主な要因は、郊外に建設された当時に入居したニュータウンの住民の子供世代が、域外へ流出してしまったことにあります。

郊外へマイホームを購入した世代が、一斉に高齢化を迎えていますので、大都市の周縁部といえども人口減少が進むと予想できます。

高齢化の波が都市近郊にせまりつつあることから、以前には人気エリアであった大都市圏近郊でも、過疎化は現実のものとなっています。高齢になり入浴など日常生活のすべてで介護が必要な段階でも、自宅暮らしを続ける場合もあります。

一方、加齢に伴う心身の衰弱に合わせて、高齢者住宅や介護施設への入居も選択肢になります。有料老人ホーム等の入居金づくりのために、持ち家を売却する場合も想定されます。

持ち家を金融資産化する場合のことも想定し、購入と賃貸にかかわる問題を含めて検討すべきです。将来、金融資産化することを念頭に置いて、購入を検討する宅地の20年後はどのような変貌を遂げているのかを想定すべきです。


注1 国土交通省  不動産鑑定評価基準 Ⅳ 収益還元法p .27 ~ 31 

(https://www.mlit.go.jp/common/001043585.pdf)

注2 マンションは管理費・修繕積立金を見積もる

注3 1981年建築基準法改正以降に建築確認された住宅の場合

次回更新は11月22日(土)、8時の予定です。

 

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