十二、
我の神は、天の沼矛で、遠くを指し示しながら、
「さて、これからご案内する山々は、神々のなかでも、格の高い、天地(あめつち)になれる神々が、とどまるところです。まず、ここから、全体をみておきましょう」
またまた、神の名がつづく。
貴の神は、大事な話だとは、思われるのだが、我の神の案内どおり、軽く、感じとることにした。
「もっとも遠くにみえる山々は、天地創成の三神です。あめのみなかぬしの神(天上界の中心の主宰者)。たかみむすびの神(天神系の主宰者)。かみむすびの神(国神系の主宰者)。
つぎに遠くにみえる山々は、天地生成の二神です。うましあしかびひこぢの神(男性の成長力)。あめのとこたちの神(天の根源)。以上の五柱の神は、天地に身を隠された独(ひと)り神で、別格の天(あま)つ神(かみ)と申されます。
近くにみえる山々は、国土・事物の根源(みなもと)の二神です。くにのとこたちの神(国土の根源)。とよくものの神(作物の根源)。この二柱の神も、天地に身を隠された独り神で、一柱一代の天つ神と申されます」
ここで一息入れられた我の神は、
「それでは、まずは、独り神で、身を隠された国、国土・事物の根源の二神が坐(ましま)す国に、まいりましょう」と、
貴の神を誘(いざな)われたのであった。貴の神は、我の神の話についてゆくのが、精いっぱい。やっとの思いである。それでも、荒筋だけは忘れないように、つとめていた。
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