言い換えると、オブザーバーとして私を呼んだが、私がいくら良い提案をしても、事業部には私を称賛する意図は始めから一切なかったのです。
私は、そんな罠があるとも知らず、「何でも言いなさい」と言われたので、わざわざ自分の提案を紙に書いて、のこのこと会議に出かけていき、披露したというわけです。
そして、事業部は当初の目論見通りに、その提案をそっくり盗んで役員に提出したのです。まさに、私は、事業部が仕掛けた「何でも言いなさい」というゲーム(罠)に、どんぴしゃりとはまってしまったことになります。
このように、この「何でも言いなさい」は、組織のなかで悪意を持って非常によく使われるゲームなのです。 さて、一体どうすれば、この「何でも言いなさい」というゲームから逃れることができるのでしょうか?
このゲームの場合、まずは相手がこのゲームを仕掛けているのかどうかを見抜くことが重要です。私の場合ですと、その事業部がそのようなゲームを行う連中かどうかを判断するところから始めないといけなかったわけです。
そして、そのようなゲームを仕掛けられる可能性があるとなると、そういった連中とは付き合わないことです。
この事例のときは、私も入社して間もないころでしたので、対処の仕様がなかったのですが、その後は、自分の提案はその事業部を一切通さず、直接、担当役員にメールで送る手段をとりました。
こういう手段は、そのときの担当役員がそのような提案方法を好むか否かで良否が分かれますが、私の場合は幸いにも、そういう方法を好む役員でした。
もし、そういう方法を好まない役員だったならば、もうその事業部とは付き合わないことが重要でしょう。「君子は危うきに近寄らず」という戦法で対抗するわけです。
「何でも言いなさい」のゲームの対処
相手が「何でも言いなさい」のゲームを仕掛ける可能性があるならば、近寄らない。そして、相手を介さずに、自分の意見を主張する方法を見つける。
次回更新は11月1日(土)、8時の予定です。
👉『心理学で職場の人間関係の罠から逃れる方法[注目連載ピックアップ]』連載記事一覧はこちら
【イチオシ記事】「私、初めてです。こんなに気持ちがいいって…」――彼の顔を見るのが恥ずかしい。顔が赤くなっているのが自分でも分かった
【注目記事】「奥さん、この二年あまりで三千万円近くになりますよ。こんなになるまで気がつかなかったんですか?」と警官に呆れられたが…
 
       
               
               
               
             
             
             
       
       
    
    
    
    
    
   