母が急に亡くなった。「凄く幸せだったよ。でも父さんに会いたいから、悲しまないでね。父さんが待っているの」と言って…

ジョー君、英語の質問攻め。辞書を引いては、二人で勉強している。難しい質問が多くなっていて、丈哉さん、辞書が手放せないと笑っている。幸也さん、香ちゃん、ありがとう。

大学はT大を目指すそうだ。頑張れ。

高校二年の夏、丈哉さんとジョー君で英語力を試しに、ハワイ旅行を計画している。私も誘われたのだが、断った。二人旅だ。丈哉さんはワクワクしているようだ。楽しそうだ。ちょっと、妬けちゃう。

出発当日、忘れ物が無いか、チェックしている。二人目の息子と二人旅が夢だったようで、楽しそうだ。

三泊五日だ。行ってらっしゃい！　気を付けて。私は一人で、買い物や香ちゃんとお茶したり、楽しく過ごそう。

電話が来た。

「香子、ジョーさぁ、凄いよ。聞き取れているか分からないようだけど、聞き返したり、会話になっている。びっくりするよ。日常会話は心配ないぐらいだ。僕の出番がない。ホテルも観光地も、彼がチケットを買ったり、頼りになるんだ。少し残念。僕の出番が少ない。アハハハハ」

「凄いね！　頼もしいじゃない！　楽しんでいる」

「ああ～、美味しいものを食べたり、観光地巡りで疲れるけどな。寝る時が嫌だ！　君が居ないから。帰りたい」

「嫌ね～。明後日には、帰るわよね。ジョー君をよろしくね」

「僕が後ろを歩いているんだよ。『丈パパ、早く！』とね。帰ったら、体力を付けなくっちゃな。アハハハハ」

凄く楽しそう。良かった。両親が亡くなってから、久しぶりに、ゆったりした気持ちでいるようだ。安心だ。

　

ああ～、日本に着いた。安心と時差で、ボ～っとしている。楽しい旅だった。ジョーは大きくなったな。頼もしいし、息子との旅が叶った。幸也、ありがとう。

そろそろ、退職の時期が来た。

「幸也、僕はそろそろ、退職するよ。会社は大丈夫だ。幸也も立派な社長だ。安心して辞められるよ」

「兄貴の事だから、よく考えたんだろう。本当にありがとう。兄貴が居てくれて、僕は心強かった。僕は大丈夫だ。寂しいけど」

「良かった。これからは香子と一緒に旅行したり、ゆっくりしたいんだ。うんと甘えたい。可愛いだろう。アハハハハ」

「気持ち悪いよ。香子さん、かわいそう。こんな大きな子供がいて。俺も変わらないか。アハハハハ」

次回更新は10月22日（水）、22時の予定です。

　

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