夫が帰ってくると化粧品の匂いがした。目を合わさないし、何か変。同窓会で何かあったんだ。「私に隠し事があるね」と言うと…

同窓会当日。

楽しみにしていた。久しぶりの参加だ。親しい友人が全員参加だ。

ゆっくり支度した。お気に入りのグレーのワンピース。最近買ったアクセサリーと合う。

「ねぇ、どう」丈哉さん、機嫌が悪い。

「いいんじゃないか」と怖い顔で言っている。可笑しい。やきもちやいているよう。

送ってくれるそうで、楽だ。

「行きましょう」と車に乗った。三十分で着く。

「同窓会は何時までだ」

「多分、遅くても九時頃には終わるんじゃないかしら」

「迎いに来るから、ロビーで待っていて」と、

「あら、大丈夫よ」

「いや、ロビーで待っている」とムスッとしている。

「分かった。ありがとう」

丈哉さん、きっと心配しているんだ。少し嬉しい。

　

会場に着いた。たくさんの参加者でびっくりした。

「香子、ここ～」と裕子が呼んでいる。

たくさん、おしゃべりをした。あっという間に二時間が過ぎた。皆は二次会に参加するようだ。

私はタイミングよく、迎えが来る。少し疲れた。

会場を出た時、

「香子、待って」と田中君。

「えッ、どうしたの？　田中君」

「香子、今どうしている。……離婚したと聞いたが」

次回更新は10月17日（金）、22時の予定です。

　

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