寝るのも別々で、私は前の部屋で寝ている。少し寂しい。悔しいから、自分から話さないと決めた。
でも、体が、モゾモゾする。触ってほしい、触りたい、抱かれたい。
えっ! 欲求不満。嫌だ!
丈哉さんはどうだろう。私だけなのかな…… 悶々とベッドで寝がえりばかり。
『う~ん、眠れない。羊が一匹、羊が二匹、……止め』
眠れない。喉が渇き、キッチンで水を飲んでいる時、後ろから、
「香子、もう嫌だ! 別々に寝るのは。寂しい。意地を張ってごめん。愛しているよ。抱きたいよ」と、強く抱きしめている。戸惑う。
「……私も寂しかったの」
熱いキス。
「愛している」と息が出来ない程のキス。
「ベッドに行こう」と手を引かれ、寝室へ。
*
何でケンカしたのか忘れたが、口を利かない、冷戦が続く水曜日から今日、金曜日まで、香子は、僕に背中しか向けていない。
前を向いて、いつものようにニコッとしてほしいが……いや、僕からは謝らないぞう!
夕飯済ませて、リビングで一人。いつもだったら側に居て、微笑んでいて癒される。
う~ん、困った! 寂しい! 風呂に入ろう。さっぱりすれば大丈夫だと言い聞かせた。
風呂上がり、リビングのテーブルに、レモン水が置いてあった。香子を見たら、やはり背中を向けている。はぁ~、触りたい、抱きしめたい。十時頃、寝室に寂しく入った。ベッドがこんなに広い。はぁ~、嫌だな~。