寝るのも別々で、私は前の部屋で寝ている。少し寂しい。悔しいから、自分から話さないと決めた。

でも、体が、モゾモゾする。触ってほしい、触りたい、抱かれたい。

えっ! 欲求不満。嫌だ!

丈哉さんはどうだろう。私だけなのかな…… 悶々とベッドで寝がえりばかり。

『う~ん、眠れない。羊が一匹、羊が二匹、……止め』

眠れない。喉が渇き、キッチンで水を飲んでいる時、後ろから、

「香子、もう嫌だ! 別々に寝るのは。寂しい。意地を張ってごめん。愛しているよ。抱きたいよ」と、強く抱きしめている。戸惑う。

「……私も寂しかったの」

熱いキス。

「愛している」と息が出来ない程のキス。

「ベッドに行こう」と手を引かれ、寝室へ。

何でケンカしたのか忘れたが、口を利かない、冷戦が続く水曜日から今日、金曜日まで、香子は、僕に背中しか向けていない。

前を向いて、いつものようにニコッとしてほしいが……いや、僕からは謝らないぞう!

夕飯済ませて、リビングで一人。いつもだったら側に居て、微笑んでいて癒される。

う~ん、困った! 寂しい! 風呂に入ろう。さっぱりすれば大丈夫だと言い聞かせた。

風呂上がり、リビングのテーブルに、レモン水が置いてあった。香子を見たら、やはり背中を向けている。はぁ~、触りたい、抱きしめたい。十時頃、寝室に寂しく入った。ベッドがこんなに広い。はぁ~、嫌だな~。