【前回の記事を読む】がむしゃらに鍛えるだけではダメ! 正しいフォームと計画の立て方を学び、初心者でも体を変えられる筋トレ習慣とは?
第5章
5-6. 特に鍛えるべきは「背中」
さて、筋トレを続けていくと、そのうち「どこの筋肉を鍛えようか」と考えることになる。
無論まんべんなく鍛えていくのが良いのだが、始めたばかりのあなたに、特に意識して鍛えて欲しい部位がある。それが「背中」だ。身体の背面だ。

本来は私たちの身体は、背中側の筋肉を使って姿勢を保つようにできている。
しかし、立っているより座っている時間が増えた現代では、背もたれやテーブルに寄りかかったり、前かがみでデスクワークしたりなど、日常的に背中側の筋肉が使われず、知らず知らずのうちに衰えているのである。
家事や育児、食事など、どんな動きも、身体の前面の筋肉が使えれば何とかなってしまうからだ。
そして、背中を意識して使うことが減り、身体の前面ばかりに負担がかかることになる。このバランスの悪さはいただけない。
考えてみて欲しい。
いま、1日のうちスマートフォンを見ている時間がどれくらいかを。
残念なことに、本来運動する場所であるジムにおいても、ベンチやマシーンに座ってスマートフォンを操作する光景はもう日常となった。スマホを操作している時間の方が、運動している時間よりも多い、これが多数派だ。
こうして四六時中、その姿勢(猫背)が繰り返されることで、背中の筋肉を使って姿勢を保つという本来の身体の使い方ではなく、自己流の間違った使い方が身についてしまう。
その積み重ねが身体のゆがみを引き起こし、痛みやこりなどの不調が生じる大きな要因となっているのだ。
繰り返す日常生活では身体の前面ばかり使いがちだ。前にかがむことはあっても、横に倒れたり、身体をねじったりすることは非常に少ないだろう。すると、「もう使わないのだな」と脳が認識してしまう。
恐らく現代人の99%は、背中の筋肉が正しく使えず、そして衰えている。それが様々な身体の不調の根本原因となっている。
大事なことなので、もう一度言う。

ベンチやマシーンに腰かけて、スマホを猫背で見る。これはジムでは日常風景となってしまった。しかし、そんな人の身体は、まず間違いなくかっこ悪い。
もちろん例外はあるが、身体がかっこ悪い=インターバルでスマホをいじっている、この法則は絶対に成立する。
つまり、言いたいことは一つだ。
「ジムで運動している時間だけでも、スマホから手を離そう!」
そして、姿勢に日々気を付けて、背中を鍛えよう。最終的にあなたは、鬼を背中に宿すのだ。