「幸也、君一人にはしないよ。僕は監査役として、サポートしたい。三年もすれば落ち着くだろう。僕は今の副社長から降りて、監査になって、週の半分は三階堂へ、二日は吉田へ。どうかな?」
「兄貴、ありがとう。僕は不安と恐怖で押しつぶされそうだ。兄貴が居れば……」と声を殺して泣いている。
「よし、分かった! 明日、吉田社長に報告する。幸也は緊急役員会議を開き、僕の事を話しなさい。僕が幸也を守るから、いいな!父さんの為に出来る事は、全部やろう」
幸也、ようやく落ち着いた。二人で固い握手。香ちゃんも来ている。
「母さん、一週間は入院が必要らしい。大丈夫だ。良かったよ。母さん、家に帰って入院の準備をしてきて」
「私が、一緒に行きます」と香ちゃん。
昨日、冷静によく考えて、幸也と話したように進める事にした。朝、
「社長、お話があります。午前中、お時間頂けませんか」
「分かった。部屋に来て」と。出社して直ぐ、社長室へ向かった。
「丈哉、君が言いたい事は、分かっている。君の考えを聞かせてくれ」さすが、社長。
「予測はしておいでのことと思いますが、副社長は退任して、良ければ監査役として、週二日出社と考えました」
社長は目を閉じている。
続けて、
「幸也を一人にする事は、出来ない。力になりたい。父、いや、叔父の築いた会社だから、力になりたいんです。僕が今、居るのは叔父のおかげです。突然ですみません」
頭を下げた。
次回更新は10月11日(土)、22時の予定です。
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