銀行の例え
証券に長いこと出向していた銀行員が十年振りに戻ってきて感じたセリフがあります。
「銀行ってファミリーみたい」。証券と比較してそう言ったわけですが、ピンときません。
どういう意味か尋ねると、家族の一員になるようなもので一度入ると終わりまで面倒を見てくれるというのです。
終わりとは銀行リタイア後も含めてのこと。福利厚生が恵まれているのでしょう。さらに、よほどの不祥事でも起こさない限り行員を守ってくれるというのです。守る、つまり安定した収入が保証されることです。
だからでしょうか、銀行を辞める人、ファミリーから離れる人に冷たいです。マフィアがファミリーから離れるのは命がけ、下手をすると殺されます。
銀行もマフィアほどではないですが、冷たい仕打ちをするのを目撃したことがあります。
辞めていく人がお世話になった人に一人ずつ挨拶をしていると、やめさせられるのです。情報管理上の理由で。
「いやー、冷たいね。ふつー最後なんだし挨拶くらいさせてやってもいいだろ」って思いました。
まぁ全員そうなるわけではなく、部署によっては部屋に皆を集めて記念写真を撮ったり、激励のメッセージを書いた色紙を渡したりすることもありましたが、冷たい一面を持っているのは確かです。昔はもっと冷たかったと聞きますし。
「ファミリーかぁ。かっこいい例えじゃねーか、ちくしょう。それならコンサル出身のオレは、何と例えてやろうか。銀行は○○みたいなもんですって」
言う相手もいないのですが、単純な私は考えます。