【前回の記事を読む】銀行員は結婚が早い?——「結婚してようやく一人前」という古い考えが根強く、上司に彼女を紹介すると「早く結婚しろ!」

年功序列

銀行では同期を嫌でも意識させられますが、これは銀行の人事評価が霞が関を参考に行われているためです。

「〇〇年は優秀な人材が多い」とか、年次で評価することがありますが、霞が関も同様ではないでしょうか。

最初、不思議でしょうがありませんでした。優秀かどうかは人であって、年次に結びつけて評価する意味がわかりませんでした。

おそらく人事制度に原因があって、〇〇年に入行した銀行員は役員にまでならない限り××年に銀行を卒業する予定が決まっており、その期間の中で毎年銀行員の評価・数を調整する内向きな理由があると思うのですが、今でも正直言って理解できません。

終身雇用が機能しなくなりつつあり、一つの会社が新卒をリタイアするまで面倒を見ることができなくなっている今、年次で評価するのは無理があると思います。

年功序列が徹底している銀行では、若手が先輩をポジション上、上回ることがあっても先輩への配慮は欠かせません。年上に対して偉そうに振る舞うことは決してできないのです。

仕事を依頼する時は慎重に言葉を選びます。本人のプライドを傷つけることなく、上手に巻き込むわけです。傍から見ると、どちらが上司でどちらが部下かわからないほどです。

ある時、上司が愚痴をこぼしていました。

「あのシルバーシートに座ってるオッサン、マジ反抗的でめんどくせー。今度の人事評価でバツつけてやろうか」

私は上司を気の毒に思うのです。

「オッサン、老害になってるよ。自覚ある? 気を付けてね」

そんなサポートが私のメインの仕事だったりすることがありました。