【前回の記事を読む】私の子育てが良くないの? 2歳の娘と目が合わない、名前に反応しない、寝ない、食べない――自閉症児2人のひとり親が当時を振り返る

はじめに

◆診断前の娘について

周囲に相談すると返ってくるのは、既に試したアドバイスばかりです。

『もっと、日頃から愛情を持って』

『目を見て話しかけて』

『お母さんが落ち着けば、子どもも落ち着く』

『遊ばせる量が足りない』

『もっと素材の味を活かして』……と。

アドバイスを享受するたびに、『既にそれらはやっているのに』『うまくいかないのは私自身に原因があるのではないか』と考えるようになります。

母親というのは我が子の成長に対して、まず自分を責めます。自力では生きる力を多く持たない小さな子どもに対し、自分のお腹から出てきた分身として全責任が自らにあるように感じます。

それが例え、先天的な障害だとしても、後天的なけがだとしても『自分に落ち度があったのではないか』と、自身を責めます。

そうした心理状態に気付いてくれる人は、多くはありませんでした。

立ち行かない我が子の育児に対し、ネットでの情報も、保育に携わる専門職の人の声も、育児の先輩の声も、育児書の情報も全部全部取り入れて実践してみたころには、さすがに私も気付きました。

『この子は、よその子と違う』

『この子は、問題を抱えているのかもしれない』と。

そして、願いました。

『神様、どうかお願いします。この子が障害なんて抱えていませんように』と。