日曜日の朝。
パンを焼く匂いで、起きてきた。
「おはよう。いい匂いだ~」
「ええ、ちぎりパンを焼いたの」
食事もしっかり食べている。良かった。
「コーヒー、淹れましょうね」
「ああ、たのむよ」
新聞を読んでいる。いつものスタイル。一安心。
「午後、ショッピングでも行こうか? 夕飯は外で食べよう」
「欲しいものがあるの?」
「君に記念のネックレスを買いたい」
「何の記念?」
「君が僕の宝物、と確信出来た記念」
「変な記念ね。でも嬉しい。フフフ」
手をつないで、お出かけ。
ある金曜日の夕方。今日は丈哉さん、食事会があり、帰りは遅い。
ピンポーン。
「あら、誰かしら?」
インターホンに女性の方が映っている。
「はい。どちら様ですか?」
「丈哉の前の妻です。あなたにお話があって来ました」
「初めまして。佐和です」
「香子です。どうぞ、お上がりください」
リビングに案内した。
「家、立てたんだ」
お茶を出した。
「お構いなく。座ってください」
「お話って、何でしょうか?」
「丈哉と別れてほしい!」
次回更新は9月28日(日)、22時の予定です。
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