【前回の記事を読む】ついに念願だった吉原へ上陸!——なんとか予約することに成功したお店の門をくぐる男。女の子からどんな風に呼ばれたいか悩み…

第3章 人は変われるのか?

第16話
経済力のない弱者の戦術!
ベストな差し入れとは何だ!?

休みの日にはクワガタを取りに山に行く一風変わった女の子リンちゃんが気になるその男。

ついに意を決して会いに行きます。

そして、さらにその世界観にどハマりしてしまいます。

彼は何を求め、何処に行くのか!?

 

1000円割引になるとのことでその男はリンちゃんの口コミを書くことにしました。

そして投稿前に誤字脱字がないか何度も読み直します。

(めっちゃいい子じゃん!!)

何度も読み返すうちにさらに沼るその男。無論、口コミは自分で書いたものです。

そんなファンレターっぽい口コミに、リンちゃんがお礼の日記を返してくれます。

(うっ……嬉しすぎるッ……)

出勤の告知しかしない嬢が多い中、リンちゃんは相変わらずお客さんへのお礼はもちろん、カブトムシのガチャをやったり、お祭りでGETしたというメダカを飼い始めたことなど、割と癖が強めな日記もあげています。

日記を読んだお客さん(3回目180分本指名)もそんな彼女に気に入られようとさらに追加のメダカを差し入れしたりしています。

(これだ!!)

差し入れは他の嬢の姫日記を読むと、基本身体に良さそうで少し高級そうな乳酸菌飲料が主流のようですがこのメダカのオヤジのようにリンちゃんに特化した差し入れがベストなのではないかと、その男は思い立ちます。

(どうやったらあの子を笑顔にできるだろう?)

その男は考え込みます。

──まだ1枠空いてます──

その時、その男の脳裏にリンちゃんがお客さんがついてない待機時間中、日記にそうつぶやいていたことを思い出します。

(待機時間に颯爽と訪問して予約を完売にしてあげることこそリンちゃんが一番喜ぶことなのでは!?)

その男は急に天啓のように思いついたアイデアに突き動かされて自分がクワガタを持ってお店に駆け込んでいる姿を想像しますが、この作戦はお店到着前に予約が完売してしまった場合、完全に詰みます。

(そもそもクワガタの差し入れ自体が微妙なのでは?)

メダカのオヤジに触発されて思いついた奇策ですがここでようやくメダカのオヤジの呪縛から解放されます。

(ふぅ、危ねぇ、危ねぇ)

ようやく正気に戻ったその男ですが、差し入れ案はまたまた振り出しに戻ってしまいました。

果たしてベストな差し入れとは?そして、その男は彼女を笑顔にすることはできるのか?

つづく……。