第1章 幸せは何処にある?

第1話
三大欲求にメスを入れる。 
幸せな自分になるために

幸せって何だっけ!? 幸せになるのに早いことも遅いこともない!!

その男はそれを証明したくなります。

 

人間の幸せなんてものは当の本人にもよくわからない。

本人が幸せだと感じられればそれが幸せな人生なのだろう。しかし、その男は他者に認められることこそが幸せだと定義していた。

優れた技術があったとしても、それに誰も価値を見出さなければ、達成感もクソも何もないのではないか? 数多くの心理学の研究は他人との比較ほど幸福度を下げる要因はないと報告している。

その点においてこの男は間違った方向に全速力で突っ走るトップランナーだった。

しかし、価値を提供できる人に報酬は支払われるし人は集まってくる。

社会的動物である僕達は、山奥に1人で住み自給自足みたいな生活スタイルを続けない限り、他者と関わって生きていかざるを得ない。

ならば幸せになるために自分の得意分野を見つけ、その得意分野に磨きをかけ、他者から評価されるまで技術を高めたいとその男は考えたのである。(時間を確保せねば……)

その男はもう中年であった。

三大欲求である食欲、性欲、睡眠欲。これらは人間らしい生活には必須だが過剰ではいけない。

しかし削り過ぎは生命の危険もある。

最大限、コントロールしやすいのは性欲一択ではないだろうか?

その男はそう仮説を立てた。(性欲が満たされなくても死ぬことはないのでは?)

どこまでできるかはわからないが、その男の挑戦は今、始まった。

つづく……。