【前回の記事を読む】一千万円あった借金が一日で全額返済!? 私のファンという人物が次々と現れ支払ってくれる展開に…!
第二章 愛の試練
石川頭取、
「山岡専務、IT会社のファストケイという会社、ご存じですか?」
「ええ、聞いた事ありますよ」
「実は、その会社の安岡さんという方が近くにいるそうで、山岡専務を紹介してほしいそうですが……」
「高木、次のスケジュールは?」
「十五分なら、大丈夫です」
「短い時間ですが、いいですよ」
二分後、「初めまして、安岡と言います」と名刺を。
「初めまして、吉田ホールディングスの山岡と言います」
「突然、本当にすみません。いろんな所で山岡様の話を聞きます。凄くお会いしたかったです」
「仏頂面の怖いイメージって声は、よく聞きます。アハハハハ」
「是非、ご一緒にお仕事をしたいです」
「建築屋ですので、ご用命あれば嬉しいです」
「今度、本社の新築を計画しています。是非、山岡様の会社でお願いいたします」
「ありがとうございます。是非、見積もりをさせてください」
「嬉しいです。今日は突然でしたのに、お会い頂いてありがとうございました。近いうち連絡いたします」
「ええ、お待ちしています。今日は時間が無く、すみません。また、近いうちに会いましょう」
私も一緒に部屋を出た。
こんな凄い人と結婚したんだと改めて思った。
ある日の事、日暮里に生地を買いに来て、いい色の生地、糸と揃えて帰ろうとしていると、
「香子!」
びっくりして振り向いたら前の夫。足早にトイレに逃げ込んだ。