【前回の記事を読む】「話したい!」振り向いたら元夫がいた。「もう会わないって言ったのに」駅のトイレに逃げ込み15分後、外を見たら…

第二章 愛の試練 

久さん、

「離婚して初めて分かったんだ。香子の事、愛していた!」

お父さん、

「遅すぎるんだよ! 今、香子さんの事を守ってくれるご主人さんがいるんだ! 早く、書類に目を通しなさい」

弁護士から説明。

お父さん、

「今後、同じ事があったら、久は家を出ていけ! 母さんは離婚だ。二人とも家を出す! 分かったな!」

……お母さん、泣いている。久さん、書類にサインをしている。

「二度と妻に声をかけたり、連絡しない事、もし連絡したら、法に訴えます。いいですね」

「……分かりました」

「僕は、香子を侮辱して、傷つけた事が許せない。あまりにも身勝手な考えに腹が立つ。お父様が分かってくださったので、これで帰ります」

「山岡さん、本当に申し訳ありませんでした。二度とないように、妻と久に言い聞かせます。本当にすみませんでした」と深々と頭を下げた。

「分かって頂き、良かったです。それでは、失礼します」と玄関を出て、車に乗り込む時、家の中から、怒号が聞こえた。

弁護士の山川が、

「常識のある人がいて、良かったな」

「山川、今日はありがとう。助かったよ」

「いろんな人がいるな。香子さんって本当に、素敵な人なんだね」

「そうなんだ」

「えっ!」

山川が驚いている。

「君がのろけるなんて、初めてだ。アハハハハ」

高木秘書、

「最近、奥様の話をよくします。それも笑って」

「何だ、僕はいつも怖い顔しているのかい?」