「そうです!」

「言ってくれるな~」

高木秘書、

「はい、奥様に感謝しています」

車の中が笑いに包まれた。

いつもの時間に帰ってきた。

「お帰りなさい」と抱きついた。

「ありがとうございます。いつも私を救ってくれる丈哉さん、愛しています」

「ぼくも愛しているよ。改めて、素敵な人と結婚出来たと思っているよ。許してやろうと思った。彼もお義母さんも、香子の事を必要と思ってやった事だから。お義父さんが凄く香子の事を心配していたよ。僕達が車に乗る時も、家の中から怒号が聞こえたんだ」

「そうですか。義父だけが、いつも心配してくれたのです」

「弁護士の友人も素敵な奥様なんだねと言ってくれた」

……いつの間にか、手は胸を触っている。

「丈哉さん、も~、早く、着替えましょう」

「もう少し……」

「はい、ここまで。続きはベッドでね。うふふふ」

「……分かった」

丈哉さんが大好きな、大きいハンバーグ。

「う~ん、旨い!」

「丈哉さんって、家に居るときと職場では、全然違うね」

「そりゃ~、違うでしょう。側に香子が居るから」

「皆は、知らないでしょうね。私の太ももに顔を埋めて寝ている事を」

僕は、味噌汁をぶはぁーと香子に噴射してしまった。コントのように。

「嫌だ~」と香子。

香子の頬にワカメがくっついている。余計に可笑しい。

「ごめん、ごめん、あんまり可笑しいから。アハハハハ」

お腹がよじれそうだ。ストレス解消法。香子式。