なぜ今クリエイティブなのか?

当時のオーストリア=ハンガリー帝国に生まれ、後に米国に移住したヨーゼフ・シュンペーター(1883 ― 1950)は、20世紀前半を代表する経済学者で、「イノベーション理論」を提唱したことで知られる。

イノベーションは日本語で「新機軸」「新結合」「新たな価値創造」「創意工夫」「技術革新」などと訳されるが、シュンペーターはイノベーションを5つの種類に分けて解説した。

①新しい財貨の生産 production(プロダクション)

②新しい生産方法の導入 process(プロセス)

③新しい販売先の開拓 market(マーケット)

④原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得 suppl y chain(サプライチェーン)

⑤新しい組織の実現 organization(オーガニゼーション)

シュンペーターが生きた20世紀は激動の世紀と呼ばれる。戦争や紛争が世界を支配した帝国主義の時代。一方で科学技術が飛躍的に発展した時代でもあった。そして21世紀になった今では、シュンペーターによるイノベーションの5つの定義は、「創造」する仕事を目指す私たちにとっての基礎教養となっている。

そして現代である21世紀は、まさに「創造」の世紀と呼ばれる。

「新しい知識や情報、技術が社会のあらゆる領域で重要性を増す「知識基盤社会」の時代(『21 世紀初頭の社会像』文部科学省より)」と捉えられているからだ。

デジタルテクノロジーは加速度的な進化を続け、有線は瞬く間にWi-Fiになった。すでにデータのほとんどはクラウド上にあり、スパコンの処理速度は今も日進月歩。ロボットは2足で駆け出し、AIの発展と普及によって人間はやがておおよその職を奪われるという。

 

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