そもそもクリエイティブとは?
日本語で「ソウゾウ」と発音するが、「ソウゾウ」は「創造」と「想像」の2種類の漢字で表される。「創造」はクリエイション。何事かを生み出すこと、創世神話の天地創造。無から有をつくる力。
「想像」はイマジネーション。ジョン・レノンが歌う思いやりの心、空想や夢想や理想のこと。2 つの「ソウゾウ」は意味が異なるが、本書では「想像」も含めて、より大きな概念である「創造」クリエイティブをひもとき、解説を進めることとする。
ちなみに英語の creative(クリエイティブ)は、ラテン語の creare(クレア)に由来し、生む、産む、育てるなどの意味が転じて、人が何かを「創造」することを指す言葉となったものだ。
世の中でクリエイティブと言うと、何かをつくる仕事に従事する専門領域のことを表すが、この場合の「つくる」は、作る、造る、創ると3種類の漢字を用いる。何を「つくる」かによって使用する漢字が異なるのだ。「作る」は無形有形のものを作る。
「造る」は大きな物、工業的なものを造る。酒造りもこの漢字を用いる。「創る」は、創業や創刊や創作など、新しく物事を始めるときに使う。
このようにクリエイティブは、自由に自在に何らかの物事を「創造」する人間の根源的な営みなのである。