「うぉおおおお! 燃えてきたぁ! いない方が不思議だよ、こんなに可愛いんだから! だけど、俺も亜紀ちゃんの事、好きだから! 彼氏に負けないくらいに!」

「は? 好き? 私を?」

ハッキリと言われてキョトンとしてしまう。異性からの告白なんて、俊雄さんくらいしか記憶にないからだ。

「大好きだよ! 気付かなかった?」

「うん……」

「う~ん、アピールしてたんだけどなぁ」

腕を組み、溜め息を漏らす南君。でも、直ぐに……彼氏よりも俺の方が良いって思わせてみせる!と強気の言葉を吐いた。

「仲良いの? 彼氏と」

「良いよ」

「そう、なら、尚更燃える! 今日は亜紀ちゃんに俺の事をよく知ってもらうからね!」

満面の笑みで言われ、また戸惑ってしまう。

でも、前向きな姿勢は嫌いじゃない。だからと言って、私は俊雄さん以外に惹かれるとは思わなかった。

観覧車がゆっくりと回っていく。そんな中、南君に告白されて戸惑いを隠せなかったけど、彼の満面の笑顔に、実は少しときめいてしまっていた。男性のそういう無邪気な笑顔に慣れていないからからもしれない。

「じゃあ、まずは俺を知ってもらう為に、自己紹介を改めて。

高岡南、二十四歳。職場は不動産会社。まだ二年目だから外回りの付き添いばかりだけど、いずれは自分で家を売ったりしてみたいかな。

大学では心理学を専攻してた。特に犯罪心理学に夢中になって、警察官になりたかったけど、流れ流れて今の会社。あ、でも今の会社も遣り甲斐はあるよ? チラシ作りとか楽しいし、色んな家を見て回るのも楽しいんだ。

彼女いない歴は一年。今は亜紀ちゃんに恋愛中。こんな感じかな」

「……」

「亜紀ちゃん?」