成果が急激に低下
県知事賞をもらったのだから、当然毎年同じ栽培方法を続けることになる。ところが、五年程経過して、普通にもどってしまっていることに気が付いた。だから肥料を変えることによって得られた成果は、十年弱しか続かなかったことになる。いったいどうなってしまったのか、取掛かりがないのでお手上げだ。本で勉強しただけで、実務と結びついていないし、いきなりうまく行ったので深く考えたことがなかったからだ。
しかし、肥料を変えて成功したその時から約四十年経った今考えてみると、成功した理由も、それが長く続かなかった理由も、無肥料栽培に挑戦してみてわかった。植物の栄養吸収には、微生物が深く係わっていることがその理由であったのだ。
県知事賞を受賞して三年程経ったある日、韓国から手紙が来た。見たことのないような美しい日本語が書かれてあった。学校の校長先生である。韓国にも、柿を栽培している所があり、招待したいとの内容であった。情報がどこからどう伝わったのかわからないが、韓国まで伝わったことは確かである。
私は、その頃、体調がすこぶる悪かったので、韓国どころではなかった。それに柿栽培について、それ程知識があるわけではないので、丁寧に、そしてできるだけ美しい字で返事を書いた。
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