【前回の記事を読む】無肥料栽培で、柿が長持ちするようになった。保存状態によっては、3か月ほど持つものもある

第一章「柿」栽培への新たな挑戦

2 無肥料栽培への挑戦

肥料要求度の違い

実の成る木は、現在我家には約二十種類ある。一種類当り三~四品種あるものもあるため、本数にすれば四十本くらいになる。

以前は興味本位に買ったので四十種類近くあったが、うまい実をつける木だけを残した結果、二十種類程に落着いたものである。

植えてある土地は、約八百平方メートルの元水田で、四十年程前から約二十年間は、柿畑であった。

そして、最近の二十年間は、実の成る木の畑として利用しており、その間は肥料は施していない。

それなのに、外観上肥料が足りないと思われる木は一本もない。むしろ逆に肥料が多すぎて、調子の悪い木が三種類あった。山モモとキウイ、それにザクロである。

屋敷内に、昔、作業小屋が建っており、今は空地で一度も畑として使ったことのない土地がある。

ここにキウイと山モモを植えたところ、キウイは順調に生長し、今は収穫できている。山モモは、最初六~七年は順調に生長し、実も収穫できたが、除々に実をつけなくなったので処分した。

後になってわかったのだが、山モモの根には放線菌が共生し、根粒を作り、空気中の窒素を固定しようとしたが、在来の土壌に窒素分がある程度存在していたようで、放線菌が共生できなかったためとわかった。

なお、山モモは、高知県では多く自生しており、六月には歩道いっぱいに実を落とし歩きづらいことがある。

又、余談であるが六七二年に起こった古代日本最大の内戦といわれている壬申の乱で、勝者側の大海人皇子が配ったとされるモモは、この山モモであるといわれている。

そして、その後、徳川家康は関ヶ原の合戦の時、験を担いだのか、山モモを配ったとされる桃配山に最初陣を敷いている。

そんな山モモは、放線菌と共生し、空気中の窒素を利用できるので、荒れた土地を耕すのに用いられる。

又、ザクロは、改めて移す場所がないので実はつけないが、そのままにしている。何か良い方法を見つけなければならない。

次に、あまり生育は良くないが、何とか実をつけるのが、ブドウ、ナシ、モモである。

あまり旨いものはできないし、病気がつきやすい。二十年肥料を施していなくてもまだまだ肥料が過剰に残っているのが理由だと思っている。なお、その他の実の成る木はまずまずである。

多くの種類の果物を同じ土地で育てると皆それぞれの個性がありその違いがよくわかっておもしろい。

それぞれの果物を勉強する必要はないし、難しいことを勉強する必要もない。ただ全体を眺めていれば自然にわかってくるから不思議だ。

隣にある柿畑もほとんど同じ条件だから、二十種類の果物と比べることができる。

それによると柿は、肥料要求度がちょうど中程度と判断できるが、決して満足できる結果が得られているわけではない。どこか違和感を感じているからだ。

特に、松本柿と富有柿に違いを感じるのはその表れかもしれない。