ウソーは、言った。
「力を入れずに楽しみながら書いた作品だよ。是非読み給え。そして、二十歳の若さと若き心を取り戻すんだ」
コーは、喜んで走り出した。本屋さんに走ったのだ。
ウソーは、言った。
「あんなに速く走るコーを、今までに一度も見たことはないな。実に楽しそうに走っているではないか。スキップしているよ」
コーは、ウソー先生から、ほめられているような感じを背中に感じて嬉しかった。誰よりも早く『新エロイーズ』を読むんだと張り切って走った。
題名が何と言ってもコーの心を、強く揺さぶったのだ。コーの心に新たな恋愛の炎が燃え出すかのようであった。
コーは、老年に入りそうな年齢にも関わらず、心は単純であまりにも元気過ぎるのだ。だから、いつも恋に恋をしているかのようだ。
ウソーは、次のように考えた。
(ところで、古い書物だから、本屋さんに売っているだろうか、気になるな。コーは『新エロイーズ』を読んで、またまた元気を回復して、元気いっぱいの教育を語る人となることであろう。しかし、決して変な方向には走らないでほしい。コーの周りには、若くて美しい魅力的な女性がいっぱいなのだから。昼間は夢見る人ではなく、真面目な真面目な大学教授だからね)
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