3 資格試験は「法学部出身」が有利ではない
資格試験というと、大概は「法規」という資格に関する法律の問題が出てくるため、「とっつきにくいのでは」と思われる人もいるだろう。中には「法学部を出ていない私が、合格できるだろうか……」と尻込みしてしまっている人もいるだろう。
しかし、そのような心配は全くない。
私は大学で法学部を出ており、法律に関する授業を受けてきた。ただ、法学部出身者は他の人よりも法律に触れている、法律に馴染んでいる、ということはあっても、授業で受けたことが直接、資格の勉強に反映されるというものではない。法学部における授業は、「法解釈」や「学説の解説」が中心であり、「資格試験の勉強」とは別物である。
むしろ、法を学ぶことが初めてだからこそ、「実用的な法律を学ぶよい機会」ということで、新鮮な気持ちで取り組んでいただくとよいだろう。
4 本書の構成
本書は、次のように構成している。
第1章は、資格試験に合格するための勉強法や、必要な考え方について詳しく述べる。
本書を手に取られた人はこれまで、「勉強」に対して漠然としたイメージを持たれていただろうが、ここで「資格試験に必要な勉強」をいうものを明確にする。そして、具体的に何を目標にし、どのような結果をもたらすことが「効果的な勉強法」というのかを明らかにする。
第2章では、勉強法をお伝えする前に、どのような過去問やテキストを選べばよいかについて解説する。勉強を効果的なものにするためには、過去問やテキストも、本書で提案する勉強法に合うものを選ぶ必要がある。そこで、お勧めの形式や、過去問の加工の仕方について示す。
第3章では、具体的な勉強の進め方について書いている。ここで少し内容を明かすと、本書で提案する勉強法は、「最初から完璧を求めないこと」が重要なキーワードになっている。どうすれば着実に知識が身につくのかを、詳しく解説している。