【前回の記事を読む】遭遇する壁は、うち砕く努力をすることが、壁をなくす生き方と認識している
二、 屠殺と虐殺
ロシアによるウクライナへの攻撃が続いている。大国が何の法的根拠もなく壁を越えて他国を侵略していく。由々しき事態だ。中国もチベットを激しく弾圧し続けているし、台湾も同じような危機に晒されている。日本も他人事ではないはずだ。
計画的に抹殺、あるいは破壊する意図をもってなされる行為を「ジェノサイド」と呼ぶ。虐殺と同類の言葉、これは後で詳しく触れることにする。人間が家畜にする行為も同じように思える。これは屠殺と呼ばれる。
屠殺
肉には代表的な3つの種類がある。鶏肉、牛肉、豚肉だが、これらがどのような過程で食物になるか考えてみたい。
食肉処理施設の設置には、いずれも法的規制がある。鶏の場合は食品衛生施行規則で食肉処理業として申請し、許可が必要である。今は大量の鶏肉が消費されるので、自動処理されている。私が問題にするのは、その殺し方である。
自動処理でどのようにしているのか知らないが、ものすごい数の屠殺はどのようになされているのか。昔は個人宅で鶏を飼い、いざそれを食べるときは、鶏の首をひねって息を止め、首を切り落とし、逆さまに吊るして脱血していたと記載されている。時に鶏インフルエンザで大量の鶏が数日かかって処理されたことが報道されている。
私の家ではクリスマスの時にローストチキンを買っていたが、今は、部分的に少量を買って、妻が料理し、時にはデリバリーを依頼している。
屠殺という言葉はそれ以外の家畜にも使われている。と畜場法の第一条に「獣畜の処理の適正の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講じ、もって国民の健康を図ることを目的とする」と書かれている。獣畜とは、牛、馬、豚、めん羊、山羊である。
この法律の中の、と畜場設置基準に従って申請許可されて、工場が出来上がる。