遠方から来たということもあってか、善一さんは会の初めの方で指名されました。そこで、自分の簡単な病状説明と東洋医学についての質問をしましたが、中国でもやはり治療法は見つかっていないとのことで、大きく落胆してしまいました。

しかし、会の全体を通じて、西洋医学の薬や治療法に飽き足らず、鍼灸、マッサージ、整体などさまざまな東洋医学の治療法を試み、若干病状の改善が見られたという人の報告もあり、完全な治療法は見つかっていないとはいえ、どのタイプかの患者には有効なものもあるのだという確信も得ました。

ですから、福岡のH病院の先生が仲介してくださった広州の病院から呼び出しがあれば、すぐにでも行こうという気持ちにかわりはありません。懇親会も予定の時間をオーバーしそうになりながら、午後5時過ぎに熱気のうちに終わりました。

横浜のSおじさん、Mおばさん、東京のYおじさんが、善一さんに会いに来てくださり、近くの中華料理店の座敷でゆったり座って心置きなくおしゃべりすることができました。私にとっては三人とも初めて会う方たちばかりなのに、以前から知っていたかのように和やかに話が弾み、大変嬉しく思いました。

Sおじさんたちは、善一さんのことをよく気にかけていてくださったらしく、いくつかの治療法や病院の連絡先などをたくさんくださいました。私たちのためにこんなにしてくださる方がいらっしゃるとは本当に驚きで感謝でいっぱいでした。横浜のご自宅の庭の山草やお土産をいただきました。

「蜂蜜は重いし(おばさんの経営している養蜂場製)、荷物はしほりさんだけが持つのじゃ大変でしょうから、あとから送ります」

と細かなところまで気を遣っていただきました。

次回更新は8月17日(日)、22時の予定です。

 

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