ヴェイオ州立公園

早朝、前回のゴール地点であるラ・ストルタ駅に降り立つ。駅前の「示現の礼拝堂」から約30分歩くと、中世の城が見えてくる。

ローマ貴族のオルシーニ家やファルネーゼ家が所有していた城で、今はイベント会場として使われている。この城の先が、広大なヴェイオ州立公園である。

この公園内に、共和政ローマ以前に栄えたエトルリア人の都市ヴェイイがあった。イタリア最古の都市の一つである。

実際に歩いてみると、渓谷を流れる川に囲まれた高台に位置し、防御しやすく、しかも水が豊富で生活に困らない場所であることがよく分かる。

その歴史は青銅器時代にまで遡る。紀元前1000年頃、人口増加に伴い一部のエトルリア人がここからオルヴィエート等、6つの周辺地域に移り住んだが、その後もこのヴェイイの地は引き続き発展、アポロ神殿などが建設された。

公園内には、ネクロポリス(共同墓地)やアポロ神殿などの遺跡があり、岩を切り崩して作られた水路も残っている。公園入口付近にある滝や木々、そして高台を歩きながら感じる大空と地面が、ラ・ストルタの喧噪を忘れさせてくれた。

ヴェイオ州立公園入口付近にある滝。
この近く にアポロ神殿跡があるのだが、訪れた日は閉鎖中であった。