俊雄さんを拒絶した翌日、私はいつも通り職場へ向かい、新たに入荷した商品を品出ししていた。

「おっはよ~、亜紀」

「おはよう。真由は今日も元気だねー」

「うーん、実はそうでもないんだよ?」

「え? もしかして……」

寂しそうな顔をした真由に対して、それ以上言葉を繋ぐのをやめた。もしかしたら、不倫が奥様にバレたとか、長澤さんと喧嘩したとか、そういう事を想像してしまったからだ。

「……亜紀、今夜時間ある? 相談に乗って欲しいんだ」

「うん、良いよ」

「ありがと」

真由が無理して笑顔を向けるのが、とても痛々しく思えた。

何かトラブってるのかな……。それは私も同じだけど……。

お店が開店すると、今日は一昨日の誕生祭の影響かお客様が少なかった。その分、真由は思いふける事が多く、大きな溜め息が何度も聞こえてくる。そんな中、今日は客足が殆どないと見込んだ長澤さんは、私と真由を早めに退勤させた。

居酒屋はまだやっていなくて、私達は早めに営業をしている近くの焼肉屋さんに入った。

「とりあえず、お肉だね!」

そう言って、真由は次々とお肉を注文していった。あっという間に店員によって運ばれて来たお肉のお皿で、テーブルが埋まる。

「真由、相談って?」