【前回記事を読む】人生100年時代!より健康に生きていくために必要なこととは? 健康長寿の秘訣と効果的な方法を大公開!
第1章 人生100年、あなたの今までとこれから
痛みの原因は痛むところとは違う場所に
たとえば、「首が痛い」と来院される方がいらっしゃいます。
「どこが悪いのですか? 首ですね。では首のレントゲンを撮りましょう。この骨がずれています。骨と骨の間隔も狭くなっています。炎症を起こしてしまっています。それでは薬を出しますので、少し安静にして炎症を抑えましょう!」というのは、よくある光景です。
首が悪いことは事実だとしても、なぜ首が悪いのか。根本原因は首にはないことが多いです。違うところが悪いから、それをかばうために首にしわ寄せがきてしまい、そのうえ無理を重ねてしまったため、にっちもさっちも行かなくなり痛み出したのかもしれません。その根本原因を見つけることができれば、早く治療効果が出て楽になります。
診察でよく話すことですが、「川が汚れていると、キレイにしないといけないですよね。ゴミがあったら掃除する。でも、そこを毎日掃除しても川の汚れは変わらないのであれば、おそらく川上に汚れる原因があるのです。だからまず、上流に行って原因を解決してからでないと、延々と川下の掃除を繰り返さねばならなくなってしまいます」
ルートというか、根っこを追いかけることが重要です。
これまで対処療法が優先され、原因を究明するような診察がされていなかったように思います。
「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、局所だけでなく全身の観察が大切だと思います。そうやって人を診察していくと、診察のやり方が変わってきました。原因究明をすることで、原因の除去につながります。そしてそれは、予防につながります。