私はもっと多くの学生達に勇気と希望をもってもらい、彼ら、彼女らに夢に満ちた就職活動を実践してほしい、そんな思いが日に日に募るようになり、〝一人でも多く〟の悩みを解消してあげたい、One on Oneではなく、集団面接指導形式にしようか、はたまたユーチューブに動画をあげようか、ツイッターで専用のアカウントを作ろうか、等々いろいろと考えを巡らせたが、結果的に書籍というツールを使ってそれを広く伝えていきたいという思いに辿り着いた次第。
二〇二二年正月、私が新年に当たり家族に宣言した三つの抱負のうち、ひとつが「本を書く」。そこから一気に二カ月で書き上げた。
三月一日の就職活動解禁以降、企業面談が佳境の三月から六月で活動している大学四年生の学生達、大学院二年生はもちろんのこと、次年度の就職活動に向けて、早期に夏頃から就職先に思いを巡らせ始める大学三年生、大学院一年生の学生達、主にそのような学生達の手にとって頂き、それぞれの就職活動の気づきになってもらえたら幸いである。
こうも私がモチベーションを途切らすことなく、何故ボランティアでこのような活動を何カ月間も続けていられるのか。自分でも不思議なほどの使命感なのだが、それには私が歩んできた私のユニークな学生時代、そして波乱万丈の会社人生が大きく影響している。
本書の目的は、就職活動での面接の極意や「就職活動の本質」を伝えるところにあるが、その考え方には私自身の今までの人生のコンテクスト(背景)がないと伝わらないので、前半は私の学生時代、そこから本書の核心である「就職活動の本質」について語り、最後に私の今までの会社人生という筋書きで(オチで)、全体を通して最終的には本書を読んでくれている学生諸君の就職活動の自信に繋げるというところに結んでいきたい。
「なぜ就職するのか」、「社会人とはナニか」、「企業とはどういう存在か」、一見堅苦しく感じてしまうトピックではあるが、皆さんが就職活動に臨むにあたり、これらの本質的なトピックについて、私なりの個性を曝(さら)け出し、日々の学生との面談同様に、学生目線で、できるだけユーモアたっぷりに語っていきたい。その中で、皆さんには、常に「自分」と照らし合わせ、「自分自身の考え方」を構築しながら読み進めていってほしい。