そのうちテーブルを挟んで二人で隠れんぼ。僕らはテーブルの上に顔を出したり、もぐり込んだり、それが楽しくていつの間にか二人で大きな声で笑ってはしゃいでいた。
その度に揺れるLisaの美しい黒髪。そんな僕らをソファーに座り傍で見ていた祖父母も呆れたように笑い出し、祖母が首をすくめて言い訳をするように、
「ごめんなさいねLisa。普段はきちんと挨拶が出来るのよ」と言った。
「Dat、ごめんなさい。私もMarlonにきちんと挨拶をしていないわ。でも遊びのほうが先ね」
そう言ってLisaは僕をかばってくれた。それも素敵な笑顔で。祖母はさらに続けた。
「MarlonはIQが120もあってものすごく頭が良いから、飛び級で今は小学校の2年生なのよ。だけどやっぱり子供ね。こんなことで楽しめるんだもの」
Lisaが素敵な笑顔で笑っている。
「Dat、私も子供だわ。Marlonと大声で笑って遊べるんだもの!」
そう言うと祖母もニコニコと笑いながらLisaに言った。
「MarlonはきっとLisaのことを気に入ったのね。Lisa、これからもMarlonと仲良くしてあげて。Marlon、これからもLisaを訪ねて来てちょうだいね」と僕らに声を掛けると、
Lisaは祖母のお願いに応え、テーブル越しに右手を差し出した。その手を見たとき、僕の中で何か分からない感情が溢れ出し、それを隠すため僕は再びテーブルの下へ隠れた。すると頭の上からLisaの呆れたような声が聞こえた。
「Marlon、 Marlon。どこに隠れたのかしら? あ~あっ! 見つからないから私、日本に帰るわね。Bye-bye!」
Lisaがとんでもないことを言い出す。
「ダメー! Lisa……ここにいて。お願い」
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