身長が170cmある背の高い祖母のDatは、握っていた僕の手を離してから腰を屈め、腰より少し低い小さな僕の背中に軽く手を添えもう片方の手を彼女のほうへ差し出し、

「Marlon、日本からこんなにかわいい女の子がお勉強のために我が家に来てくれたのよ。Lisa、Marlonよ。Marlon、Lisaよ」と紹介してくれた。

瞬きをしながら少し心配そうな顔をして、向かい合わせに立つ祖母を見つめるLisa。日本から来た女の子のあまりのかわいさにしばらく言葉を失い、僕は慌てて祖母の手を引っ張りそっと耳打ちをする。

「ねぇ、Dat、Lisaはなんてかわいいの!」

一瞬戸惑った様子の祖母だったが、僕が話し終わると大声で笑い出し、ニコニコしながら大きく頷き心配顔のLisaに伝えた。

「MarlonがLisaのことをとってもかわいいと言っているわ!」

それを聞いた彼女の素敵な笑顔! Lisaはすぐに僕に何かを話し掛けてくれたが、僕は緊張と恥ずかしさと、初めて聞く彼女の日本語訛りの英語で何を言っているのか聞き取れなかった。

僕はあまりの恥ずかしさに顔を赤らめ急いで祖父のBillの隣に座ってテーブルに顔を突っ伏し、ついにはテーブルの下に隠れてしまうありさま。きちんと握手も出来ないなんて!

「Marlon、私とお話ししてくれるかな?」

Lisaの声が聞こえた。目を開けると楽しそうに笑ってテーブルの下を覗き込むLisaと目が合った。

恥ずかしくてすぐにテーブルの上に顔を出した僕に、Lisaが笑いながらテーブルの上に顔を出して僕に微笑む。嬉しいのに、なぜLisaの顔を見るのが恥ずかしいのか僕には分からない。