インド占星術では人の性別をパーソナリティが女性で感情の動きが女性的な女性、パーソナリティが男性で感情の動きが女性的な女性、パーソナリティが女性で感情の動きが男性的な女性、パーソナリティが女性で感情の動きが女性的な男性、パーソナリティが男性で感情の動きが女性的な男性、パーソナリティが男性で感情の動きが男性的な男性とグラデーションのように区分けする。

そして、その区分けはその人の特質と不思議に合っていて、結局、人はその区分けに沿った生き方をする。ボクの見る波動はそれに似ているように思える。

つまり、あの蛍の光のような束の間の灯はその人の発するエネルギー、つまり、波動と捉えるとわかりやすいのだ。そのとき、ボクは人や行為はエネルギーで、エネルギーは波動で、波動は色として表われることを漠然と理解した。

ゾーンに入ると内側と外の世界の境界がなくなり、時間の感覚がなくなる。内と外が繋がると不思議なことがよく起きる。

ミニチュアシュナウザーのビィは我が家に来てから十八年と二ヶ月生きた。そのビィが生きているときは二人でよく話をした。

ビィの誕生日は五月だ。毎年、ビィの誕生日にはちょっとしたご馳走とケーキを用意して家族で祝う。我が家の大切な行事のひとつだ。そのビィが十五歳の誕生日を迎える前の日、その日、ボクらは穏やかな春の陽だまりの中にいた。

外は晴天で、空は青く雲ひとつない。南側の窓に面した居間の絨毯の上には昼下がりの柔らかい陽光が差し込んで、目を瞑るとふっと寝込んでしまいそうになるほど暖かい。

ボクは傍らのビィに、

「そろそろビィの誕生日だよ」

などと話しかける。十五歳は中型犬の平均寿命だ。取りあえずビィは、

「うん」

と言う。