【前回の記事を読む】陽気なヨガ行者の講話の途中――手を挙げ質問する人々の背中にふっと光が灯った。ボクは日常でも予期せずゾーンに身を投じてしまうゾーンに入ると見えないはずのものが見えたり、聞こえないはずのものが聞こえたりする。そして、時間の感覚がなくなる。しかし、ボク自身はそれを当たり前の出来事と感じるだけで、それが起きたことにも気がつかない。何が起きても不思議と感じないから、覚めたときにはそのと…
[連載]伊豆の御社
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小説『伊豆の御社』【第9回】ほそや まこと
愛犬に「歳取るってどんな感じ?」と聞くと、「わからない…でも、哀しい感じがする」と言われた。ボクたちは会話をしたのだ
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小説『伊豆の御社』【第8回】ほそや まこと
陽気なヨガ行者の講話の途中――手を挙げ質問する人々の背中にふっと光が灯った。ボクは日常でも予期せずゾーンに身を投じてしまう
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小説『伊豆の御社』【第7回】ほそや まこと
「ぎゃぁぁ~」凄まじい悲鳴が耳の奥に響いた。立ち上がり、その甲高い悲鳴を耳の奥に感じながら、玄関側の窓から外を覗くと…
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小説『伊豆の御社』【第6回】ほそや まこと
邪気を喰らうようにすくすくと大きくなる木。木へ抱いた嫌悪感は確信から恐怖へと変わり、「木を処分してくれ」とヒステリーを起こした。
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小説『伊豆の御社』【第5回】ほそや まこと
―こんなつもりではなかった。育ち上がった木の処分を植木屋に頼んだら無残にも…
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小説『伊豆の御社』【第4回】ほそや まこと
消え去るひとりぼっちの男の記憶。 来歴不明、係累も辿れぬ男が生きた痕跡は、世界から消え去っていく。
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小説『伊豆の御社』【第3回】ほそや まこと
かつて目にした祠を目指してひたすら山道を歩く。何かを隠すように建てられた「立ち入り禁止」の看板。あの時目にした祠は一体...
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小説『伊豆の御社』【第2回】ほそや まこと
時々、ここが本当に元いた世界なのだろうかと考えることがある。狐に化かされたようだと思ったあのときの気持ちがふと蘇る。
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小説『伊豆の御社』【新連載】ほそや まこと
ボクの家はさほど街中でもないし過疎の田舎でもない住宅街の一画にある。家を出てすぐの緩い坂道を上ると空気の澄んだ日には左手に三浦半島、右手に伊豆半島が淡い紫色のシルエットを浮かび上がらせる