私は、ニコッと喜んだ。でも、心の中で、ペー先生に聞こえないように言った。

「しかし、待てよ。フー先生の偉大さは、ペー先生を超えた所にあるような気がする。ここは、少しだけの時間、ペー先生の弟子になってあげよう」

私は、ペー先生へ言った。

「誠にありがとうございます」

それから、私は、フー先生へ言った。

「フー先生、あなたの考えた幼稚園創設の教育思想は、あまりにも偉大だ。今日まで続いているし、さらに発展してきている。あなたこそは、幼児教育における偉大なる貢献者だ。遊びや遊具を幼児教育に取り入れた点でも」

ペー先生は、言った。

「コー君よ、なかなかいいところに、気付くことができているではないか。それでこそ、私の弟子というものだ」

ペー先生は続けて言った。

「フーよ。君は私のもとで教育について学び取った後に、私から離れて独立し、独自の教育思想を打ち立てた。なかなかの者だ。認めてあげよう。その輝きある教育思想と教育実践を」

フー先生は言った。

「ありがとうございます。はなはだ、光栄でございます」

私は考えた。

「私もフー先生のようになりたいな」

ペー先生は、急に走り出して、私に言った。

「コー君。君はまだまだ未熟だ。だって、心は、まだ二十歳だからな。もっともっと高みに登るように、走りたまえ。全力で走りたまえ」

 

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