話し言葉の媒体は、「声」である。鳴き声であれ、ささやき声であれ、まず、声を出さなければ会話は始まらない。
皆さんは、日常はっきりと声を出しておいでだろうか。年配の方は、いろいろな付き合いが減るに従って会話をする機会が少なくなり、一方若い方は目の前の人ともメールやライン等のSNSで情報を共有し、声での会話をしないといった具合に、社会から声の総量が減少している気がする。
声を出すことも少なく、会話も苦手という方は、他者とのコミュニケーションが自己中心的になりがちである。
身勝手なもので自身は自己表現ができていなくても、相手は自分のことを理解してくれているはずだという錯覚の中に生きてしまい、
自分の思うように相手が反応しない場合、相手が悪いと短絡的に思考してしまいがちである。これが原因で、不幸な事件が起きてしまうこともある。
まず声を出す。そして話してみる。そうすれば、鬱陶しい女を遠ざけたり、愛しい女に思いを告げたりできる。
いきなりは難しいが、場数を踏めばハンフリー・ボガートも夢ではない。ハンフリー・ボガートになれなくても、なったつもりでいろいろ会話をしてみると、聞く方は迷惑かもしれないが、話す方には楽しい世界が広がる。
男にとってのこのような修行の場は、ʻ酒場ʼと相場が決まっているが、はて、女性の修行の場はどこなのだろう。