【前回の記事を読む】添い寝とハグで充分だったのに…イケメンセラピストは突然身体に覆い被さり、そのまま…

Chapter 1

プラネタリウム付き天蓋ベッドでの秘め事

1人ベッドに残った真由子は、朝までぐっすり寝て7時過ぎに起きて、部屋の大型テレビで朝の番組を見て、1人で2人分のモーニングセットをペロリと食べた。お腹が空いていたのだ。

そして流星とは利用出来なかった室内岩盤浴に1人寝そべって満喫した。

深夜に流星との間に起こった出来事は、誰にも言わない秘め事……。でも真由子の中では、今朝目覚めてから世界が変わるほどに、ウキウキとした気持ちが湧き上がっていた……。

恋をした流星と結ばれた。女性として好きな男性に抱かれた喜びに勝るものは、やはりないのかもしれない。真由子は1人新宿駅へと明るい気持ちと足取りで向かうのだった。

出張ホテルの翌週は、新宿でカラオケデート。新宿中央西口改札口の電子ウォールの前で待ち合わせ。ヒールのショートブーツに、ピンクの柄シャツ、上に黒の革ジャンのスタイルで流星は現れた。私服も今どきでカッコいい。

歌舞伎町のビルのカラオケ屋で5時間、ランチを食べた後2人で歌う。流星は若手俳優が歌って大ヒットした「猫」を熱唱してくれた。

上手いのか?と言われると微妙だったが、マイクの首あたりを持ってマイクの底を上に跳ね上げて歌う姿は、カッコつけたホストのようで、流星が歌舞伎町で水商売をしてきた過去を思わせた。一方真由子は、80年代の女性アイドルのヒット曲を可愛い声で熱唱した。

流星は、びっくりした様子で、

「真由子さん、歌声めっちゃ可愛いです。話してる時と違って。俺、女の人の歌に感動したの初めて……かもしれないです……」

何と真由子の80年代女性アイドルソングは、今どきの24歳の若者の流星に、超ウケたのだ。

真由子は、嬉しかった。何曲も昭和、平成のヒット曲を歌う。対する流星は、ヴィジュアル系のロック調のヒット曲をシャウトしながら歌った。4時間近く経ってさすがにカラオケに2人が飽きた時、真由子は、

「あのね、流星くん、残り時間はあと1時間ちょっとだから、歌はやめてソファで流星くんに甘えたい……」

そう思い切って流星にリクエストした。

「あっ、いいですよ……」

流星は手慣れた様子でカラオケの電源を切って部屋を暗くした。

「この雰囲気で大丈夫ですか……こっちに来て座ってください」