【前回の記事を読む】レスの極みのような30年間。触れ合う事や、親密な会話、スキンシップなど皆無で、夫以外にそれを求めた…

Chapter 1

プラネタリウム付き天蓋ベッドでの秘め事

流星と出会って約1ヶ月間のうちに、渋谷店2回、新宿店1回と3回店舗利用で会ってきて、流星との親密度も高まってきた中、流星にリクエストされた出張サービスを真由子は利用してみようと思った。ただ、店舗利用と違って自分で使うホテルを予約しなければいけないので、少し面倒だった。

シティホテルにイケメンのマッサージ師が訪ねて来るって、フロントの人に変に思われそうだなぁ……。休憩だけの利用もなさそうだし、その点ラブホテルなら、1人で先に入ってるなんてした事ないけど、フロントの人もそういうのは、分かってるものね。

男性が部屋に女性のマッサージ師や風俗嬢を呼ぶ事は多いだろうから、その逆もラブホテルなら面倒な事を聞かれずスムーズに出来るのかも。

真由子はそうやってラブホテルに決め、ラブホが多い新宿で探すことにした。スマホで検索すると、東南アジアのリゾートホテルをイメージしたホテルのチェーン店が真由子の目に留まった。

(ここのホテルは、有名だよねー。女子会も出来るんだ。あと部屋にデリバリーしてくれるフードやドリンクも充実して良さそう……ここにしよう!)

真由子はそのホテルに思い切って予約の電話を入れた。

「金曜日の夜に宿泊で予約したいのですけど、このホームページに載っているプラネタリウム付き天蓋ベッド、岩盤浴付きのお部屋は予約出来ますか?」一番高い部屋を真由子は言った。

(予約空いてないよね……?)

「はい9日金曜日の晩、宿泊2名様でご予約可能でございます」

(あっ、空いてるんだ……、一番高い部屋……笑)

「じゃあ、そのお部屋でお願いします」

もう引き返す事は出来ない、予約は宿泊で取れてしまった。真由子は、ホテルで出張サービスを受けるという一段上の階段を上ろうとしていた。

ほどなくして4月の第1週の週末、金曜日がやって来た。真由子は歌舞伎町のど真ん中にあるリゾート風ラブホテルに1人でチェックインした。フロント受付はスムーズに終わりルームキーを持ってエレベーターで部屋に上がる。

ここ新宿歌舞伎町のラブホテルなら女性が1人先入りして後から来る男性を待つパターンもきっと珍しくない。だってホストクラブがひしめく街の真っ只中にあるもの。

真由子は、自分のしている事がここでは珍しくはなさそうな感触に少し安堵した。最上階7階のその部屋に入ってみると、部屋は広めで、ホームページの写真通り、レースの天蓋付きベッドだった。プラネタリウムも、付けられている。そして奥の洗面所の横には、2人がそれぞれ寝そべられる岩盤浴も完備されていた。