感情とは

EQとは「感情をうまく使う能力」のことでした。感情を使いこなすためにはそもそも〝感情〞とは何かを知らなければなりません。

まず、感情には構造があります。その構造を理解するのに役立つのが、心理学者ロバート・プルチックが1980年に提唱した「感情の輪」という円環モデルです。

感情構造についてはいくつもの説がありますが、プルチックのモデルがもっとも理解しやすいと思います。

プルチックのモデルは、感情を色彩で分け（怒りを赤、悲しみを青、喜びを黄色、恐怖を緑など）、それぞれの感情を強さによって3段階の濃淡で分けていますが、ここではモデルを簡略化して円環モデルを説明したいと思います。

プルチックモデル（感情の立体図）
（https://6seconds.co.jp/eq-articles/plutchiks-model-of-emotionsより引用）

プルチックは、根源的な感情を8つの純粋感情としています。「喜び」、「信頼」、「恐れ」、「驚き」、「悲しみ」、「嫌悪」、「怒り」、「期待」を円環で配置し、正反対の感情が対称的な位置にくるようにしてあります。「喜び」の反対は「悲しみ」であり、「怒り」の逆は「恐れ」です。

この8つの感情が最も強い状態（怒りなら「激怒」、悲しみなら「悲嘆」）では混じり合うことはないとしています。

しかし純粋感情の濃度が薄い外環では、「愛」、「服従」、「畏怖」、「拒絶」、「後悔」、「軽蔑」、「攻撃」、「楽観」という8つの混合感情が存在します。「感情の輪」という円環モデルは心理学に基づいて、とてもわかりやすく整理されています。