第10章は、現在、筆者が技術論から出発して達した社会の見方である。第11章で現代の、あるいは現代につながる問題及び国際的問題として、重要と考えられる幾つかについて述べた。第12章で理科的及び文科的素養の年齢的に沿った修得並びにその知識を総合的に発揮すべきことなどについて触れた。
第13章は、以上のまとめと、筆者の経験から得られて本書の読者にも役立つと思われる補言である。また、以上述べた趣旨から、本書名に「より充実した社会活動を行うための文系と理系の素養を求めて」を副(そ)えた。
本書でやや理解が困難なところがあると思われるが、そこに余り拘泥しなくてよい。後日読み返したとき、その意味も分かると思われる。
本書の内容は広範かつ新規の事項にも及ぶので、もとより、十分に論ずることはできず、自分の経験から出発して、一応多くの場面で役立つと思いついたところを、書けるところまで書いたという感を否めない。
内容のレベルとしては、全体に横並びとなるように努めたが、筆者の力量及び時間的な制約、記憶の不明瞭もあり、企図したようになったかは不明である。誤り、あるいは不正確・不十分なところを恐れるものであるが、筆者の一つの考え方の提示と御理解いただきたい。
本書には、筆者のこれまでの著述であげたところの引用もあるが、本書の構成の中で、全体の理解を深めるためと了承いただきたい。
本書は、やや詳しく筆者の経歴から説きおこしているところから、筆者の自伝的な意味もある。もとより、読者各位は、具体的には、自分の経験と考えから、適切な理科と文科の基準を設定して、そこに向かうべきことになろう。
そして、理科系といっても、本書で詳しく述べるように、科学分野と技術分野では、後者は社会での利用を中心として見るなど差異がある。本書では理科系・文科系の区分は、出身校での専門や社会に出ての職歴等から大まかに分ける。
本書ではまた理科系としても技術系を中心として考える。とにかく、文科系としても、初めから技術を考えるのにアレルギー(躊躇)を感じない程度を最低限の理科(技術)への要請と見る。
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