「男なら、その方が良くないですか?」

(ガーン、流星くん、カッコ良過ぎてびっくり……ドラマでイケメン俳優の言う台詞より、今カッコ良かったんだけど……)

真由子は、流星の学生時代に感動していた……。

「わ、わたし流星くんのこと好き……ていうか、もう惚れてしまいそうです」

真由子が思わずそう言ってしまうと、流星は吹き出しそうになりながら首を横に振った。

「いやいや、そんな……」

真由子は、苦労を物ともせず、難関大学の大学院まで出ている流星は、ただのイケメンセラピストではなくて、スーパーヒーローみたいな感じにも思えて圧倒されてしまったようだ。

(ちょっと流星くんは、凄過ぎる……でも運動とかは苦手かもしれないし、どこかしら弱点はあるでしょう)

そう思って真由子は唐突に質問してみた。

「えっ、でもスポーツとか出来ますか?」

「中学、高校と硬式テニスやってました。大会とかも出ましたよ。大学時代はキックボクシングもやってました」

完璧、パーフェクトだった……。花川流星という男のイメージは、非の打ち所がないものとして真由子の胸に刻み込まれたのだった。

流星は、身長は175センチで程よく高く、よく見ると白いシャツと黒いズボンでシュッとして見えても、案外と逞しい、程よく筋肉質な体つきをしているようだった。

流星との会話で1時間があっという間に過ぎても、真由子はソファで後ろ向きに俯いたまま恥ずかしさで、もじもじとしていた……。

その時だった、不意に真由子の両脇に流星の両腕が差し込まれ、真由子の身体はグッと流星の腕の中に引き寄せられ、後ろからしっかりと抱きしめられる形になった。

「これでいいですか? 真由子さんこの前、LINEで今度会ったらバックハグして欲しいって言ってましたよね。あー、落ち着けるなあー、ずーっとこうしていたい。貴女といると俺は落ち着けます」

不意に流星から、そんな言葉を言われて真由子は驚いた。それから流星は真由子をゆっくりとマットに寝かせてバッグハグの体勢を続け、真由子の胸の敏感な部分を刺激するように指を動かしてきた。真由子は、さらにびっくりして声が少し出そうになった。すると流星は腕を胸から下げ普通のハグに戻したのだった。

次回更新は6月18日(水)、18時の予定です。

 

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