【前回記事を読む】地獄の門「一切の希望を捨てよ」、ダンテ「(…嫌すぎる!)これは厳しいですなぁ」、ウェルギリウス「良かろうもん、門だけに」
第三歌
私は迷いや不安で頭がいっぱいになって言った、
「先生、この耳をつんざく騒音はなんですか?
苦悩の中に打ちひしがれている、こやつらは何者ですか?」
先達が言った、「このみじめなミジンコ共は、誉れもなく、謗りもなく、ソーシャルディスタンスもなく、
生涯を送った連中の、哀れな亡霊の姿だ神に仕えるわけでもなく、背くでもなく、
ただ自分たちの為だけに存在した
邪悪な天使の群れと混じり合っている
天はこうした奴が来ると天が汚れるから追い払うが、
深い地獄の方でも奴らを受け入れてはくれぬ、
こんな奴らを入れれば悪党がかえって威張り出すからだ」
私が言った、「先生、一体ミジンコ共は何に苦しめられ、
ああ酷く泣き喚いているのでござる?」
「おどれにそれを簡単に説明すると、
こいつらには死の希望さえないのだ その盲目の生活は実に低劣極まるから、
それ以外ならどんな運命も羨ましく見える、実は私も盲目だけども、現世は、こうした奴らの名が世に伝わることを許さぬ善は奴らを馬鹿にする、ミジンコ共については語るな、ただ、観察しろ」
そこで私は素直に観察した、するとぐるぐる回りながら、
サークルをなす群れ、まるでロックフェスのように、
留まることを知らず
その後ろからは亡者の群れが続く、
まさかこれほど大勢のどっちつかず共を死神がアボンしたとは、
信じられなかった、たくさん死んだのねそこには何人か知ってる人もいた、
臆病風に吹かれて大きな位を棄てた人の亡霊もいた