呪われた三途の川(アケロンの川)に集まった 神を畏れぬ不届き者は皆、ここを渡る運命なのだカロンケロンコロンは鬼の目つきで、
皆を睨んで舟に乗せ、
ぐずぐずする奴は容赦なく舟の櫂でひっぱたいた丁度秋に木の葉が、
一葉また一葉と散って、終いには、
自分の脱いだものがすっかり地上に落ちてしまうそれと同じようにアダムの悪い種は一人また一人と、その岸から
鳥師に呼ばれた鳥のように
舟へと飛び降りた
こうして暗い波の上を彼らが去り、
向かいの岸でまだ降りきらぬうちに
もうこちらの岸には、新しい亡者の群れが集まっている
「息子よ」と、親切な先生が言った、
「神の怒りに触れて死んだ者は、
皆ここに集まってくる、
そして、いそいそとこの川を渡る、
というのも、実は赦されるチャンスがあるのでは、と
恐れが望みに転化するのだ
善良な魂がここから川を渡ることはない
だからカランコロンポロンがお前に難癖をつけたとすれば、
それが何を意味するか、わかるか? ポロン」
そう先生が言い終えたとき、突然暗い野原が、
激しく振動した、その恐ろしさは、
思い出しても冷や汗が滲む
涙に濡れた大地は、風が吹き荒れ、
風は深紅の稲光を飛ばし、
稲妻は私の五感を奪ったそして私は意識を失い、ばたりと倒れた、
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