まえがき

薬学生諸君

薬剤師法第一章第一条に、こう書かれています。

第一条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

つまり薬剤師は、国民の健康な生活を確保するものであり調剤やOTCだけではなく、体外診断用医薬品である医療用抗原検査キットからオムツ、ミルク、洗剤、ティッシュに至るまで公衆衛生の向上及び増進に寄与することと書いてあります。

そのような理由で国民の健康な生活を確保するのが薬剤師なんです。すごく重要な役割があるんです。

医療人(薬剤師の後輩たちよ)の前に人間として自己成長してほしい。医療人としてのサービスやおもてなしを提供してほしい。そんな思いで重い腰をあげました。

第一章 私の社会人経験

おばあちゃん子

織田信長の清洲城で有名な西春日井郡清洲町(現在は清須市)で生まれ育ち高校まで喫茶店一つないような田舎で育ちました。私が田舎度を測る尺度としています1ヶ月の駐車場代は今でも3500円程度です。

母が美容師で自宅で美容院をしていましたので、明治生まれのチャキチャキの名古屋っ子のてるおばあちゃん(母の母)が、私が生まれてから同居して私の母親代わりとなって育ててくれました。

戦争未亡人だったてるは、年金や恩給で私の大学の費用まで出してくれました。口も出すけどお金も出すという二刀流で誰も頭が上がらない黄門様でした。実は後に第二の黄門様に出会ったことで、私の人生は大きく変わりました。

とにかくてるは、働き者で朝早くから晩遅くまでよく働く人で、家族の食事、掃除、洗濯、私のオムツ替え、躾(家の木に縛られる)、小学校中学校の授業参観、お弁当作り、薪をくべてお風呂の準備まで、何から何まで一人でしてくれました。