【前回の記事を読む】ホテルのスイートルームでクリスマス会。彼と練習したダンスを披露するが皆に笑われ…「えっ、変でした?」

第八章 高山家ダンスパーティー

「涼真達の会話が聞こえたんだ。美樹さんが今年は私が前で、来年は涼真が前ねって聞こえたんだよ。美樹ワールドツボに入ってしまってこらえきれなくて、クックックッ。おおー苦しい。彩香、どうすればいい?」

「分かりませんよ。私だってクックックッ。止まらないんだもん」

「お父様、お兄様、ダンスの雰囲気を壊してしまいました。すみませんでした。涼真さんが悪いんです。クイックってどんなダンスって聞いたんです。そしたら、お掃除をするように、クルクル回ってと言っていたのです。たまたま、クイックルダイパーが目に入って、名前はダンスからきたんだと思い、クルクル回るって音楽を聴きながら、踊っていたので急には後ろにステップで歩くなんてできなかったんです」

「ワハハハハ」

涼真さん、ハンカチで目を拭いている。

お父様夫婦、お兄様夫婦、同じように、ハンカチを使っている。落ち着いたので、最後の二曲続けてブルースタイムの時間になる。これは大丈夫だ。

「美樹、行こう」

「ええ、ブルースは自信あるわ」

「そうか、良かった。クックックッ」

笑っている。

優しい曲が流れている。三組夫婦、お互い見つめ合いながら、踊っている。最初から、チークダンス。体の密着度が凄い。

「くっつきすぎじゃないかしら?」

「良いんだよ。愛しているから」

「そうなの……気持ちいいけど」

うっとりの二曲でした。疲れたけど、とても楽しかった。

部屋に戻った。急に足がガクガクした。凄い運動量だ。お腹が空く。お部屋が凄く綺麗で大はしゃぎ。広いバスルームで、二人でゆっくり入った。

夜景も綺麗で二人でワインを飲んだ。素敵な夜だった。朝十時、ロビーでコーヒー。お父様とお話しした。

「美樹さん、初めての参加どうだったかな」

「ええ、とても楽しかったです。来年は涼真さんにちゃんと教えてもらいます」