内モンゴルの塩

2003年12月末、藤田社長と一緒に内モンゴル自治区の吉藍泰有限公司に行って塩を視察しました。ちょうど冬休みなので、長男を連れて塩の結晶過程を見学させました。加工工場は砂漠の真ん中にあり、銀川の空港から出迎えたその会社の車は到着まで6時間もかかりました。

途中珍しい景色は何もなく、羊が数百匹ぐらい見えただけでした。結晶化した塩湖の上を車は走っていました。塩の品質はいいが、一回の取引量があまりにも多く、やはり商売にはできなかったです。

真冬はマイナス20度ほどで寒く、その日の夜雪が降りました。道路はツルツルで、すごく滑っていましたが、運転手は全然平気でノーマルタイヤでも80キロで走っていました。

私がゆっくり走ってくださいと言ったら、運転手は「大丈夫ですよ。ほぼ毎日このような道路を走っているから慣れています」と言いました。

それにしても田んぼに落ちている車があるから、それを見てやはり大変心配でした。途中羊数十匹が道路の真ん中にいて、車はやむを得ず止まったことがありました。

8時間ほどかけてやっと空港に着きましたが、悪天候で飛行

機が何時に来るかはわからないとのことで、仕方なくレストランでゆっくり昼食事と夜食事を一緒に済ませ、じっと飛行機が来るまで待ちましたが非常に不安でした。というのは、翌日藤田社長は西安空港から日本に帰るので、この日西安に行けないと、翌日のチケットは使えなくなります。

当時チケットは大変購入しにくかったので、新しくチケットがないと大変困ることになります。夜11時頃やっと凍った空港に小型の飛行機が着きました。

数人しか乗れないうえ、滑走路から離陸したとき飛行機のタイヤが雪にぶつかった音がしっかり聞こえ、離陸できるか大変心配でした。が、どうにか深夜2時頃西安の空港に無事到着し、やっと安心しました。

こうして、いろいろな商売を試みてうまくいかずに終わりましたが、いろいろな知識を学び、いろいろな商売人と出会い様々なことを勉強しました。やっているうちにかなり悟りを得たので、失敗とは言えず、無駄にはなっていないと思っています。

次回更新は6月1日(日)、7時の予定です。

 

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