【前回の記事を読む】母親から「美樹さん、涼真とおいくつ違うの?」涙ぐむ美樹。しかし思わぬサプライズが待っていた…!
第五章 高山家のサプライズ
日曜日の夜、母に、電話した。
「お母さん、再来週の土曜日夕方、婚約者連れて行くからね」
『ようやく来てくれるのね。楽しみだわ』
「昨日、あちらの実家に挨拶に行ったの。そしたらね……うううう」
『えっ! あんた、泣いているの! 反対されたの!』
「違うの、その逆なの。ご両親、兄夫婦も十歳年上なの。まだあるの、おじい様夫婦もおばあ様が十歳年上なの。凄く歓迎されたの。とても、嬉しかった。涼真さんさぁ、ずっと決めていたんだって、結婚するんだったら年上女房って。彼、本当に優しいの。お母さん、幸せだよ」
『ええ、ええ、良かった。安心した。楽しみに待っているね。お父さんにも話しておくね。一樹達にも、伝えておくね』
「うん、じゃ再来週土曜日夕方ね」
母は、安心していた。
実家に行く当日。私は緊張していた。
「早く、行こうよ」と。
「私、緊張しているわ」
「そうかぁ~。じゃ、深呼吸して、吸って、吐いて~、吸って、吸って」
「ええー、苦しい~」
「バカだなぁ~。吐くんだよ。ワハハハハ」
意地悪。