「涼真さん、緊張して無いの?」
「何で? 楽しみだよ。早く、行こうよ」
どんな心臓しているのかな。
実家に着いた。ドキドキしている。
「ただいま」
「おおー、美樹、お帰り」
「お父さん、久しぶりだね」
「初めまして。涼真さんだね。美樹の父です。どうぞ、上がって」
「ありがとうございます。高山涼真です」
座るなり、
「結婚の許しを貰いに来ました。世界で一番大切な人で愛しています。僕は美樹さんが居ないと生きていけません。よろしくお願いいたします」
「照れるくらいはっきり言いますね。親としてはとても嬉しいです。末永く、よろしくお願いいたします。涼真さん」
「はい! 今、とても幸せです」
「そうか、良かった。ワハハハハ」
寡黙な父が、本当によく笑っている。涼真さんを気に入ったようだ。そして……珍しくよくしゃべっている。
母は頑張って、御馳走をたくさん作ってくれている。義理の姉さんも頑張ったんだろうね。ありがとう。
涼真さん、
「お母さん、とっても美味しいです。あっ、これ、何ですか? 凄く旨い!」
母が凄く喜んでいる。父も笑っている。父、兄と三人で美味しそうにお酒を飲みながら何度も乾杯をしている。
兄夫婦とも、和やかに話している。涼真さんって、話が上手い。ホッとした。ありがとう。
実家は駅から一時間かかるので、駅近くのホテルを予約していた。涼真さん九時半頃、タクシーを予約していてタイミング良く迎えが来た。
「お父さん、タクシーが迎えに来たからそろそろ帰るね~」
「ああー、気を付けて帰りなさい」
「お父さん、ありがとうございました。又、近いうちに会いましょう」
涼真さん、少し酔っていて気持ち良さそう。タクシーの中でもニヤニヤとしている。